集客力も高く稼げる業種として人気なコンカフェには、新規参入する経営者も少なくありません。
しかしコンカフェの経営には風営法といったさまざまな法律が絡み、万が一法を犯してしまうと摘発のリスクもあります。
実際に摘発され逮捕・起訴された経営者も多くいます。
そこで、今回はコンカフェ経営における摘発のリスクと、摘発対策について実例をもとに詳しくまとめました。
コンカフェは「コンセプトカフェ」の略で、ある特定のコンセプトに基づき営業しているカフェを指します。
一言にコンカフェと言っても、動物カフェやアニメ・漫画のカフェ、メイド喫茶やボードゲームなど幅広いジャンルがあります。
コンカフェは、他の飲食店とは違い気軽に従業員との交流を図れるため人気の業態です。
集客もしやすく、利益率も高いため経営に踏み出す人も多いでしょう。
詳しくは以下のページでも解説しておりますので、ぜひ合わせてご確認ください。
▼コンカフェの開業に必要な資金や資格は?風営法についても分かりやすく解説
コンカフェの摘発理由には、「風営法違反」が最も多いです。
具体的にどのような内容で摘発されるのかチェックしておきましょう。
コンカフェの摘発理由でも件数が多いもののひとつに、「無許可営業での接待」が挙げられます。
ほとんどのコンカフェで行われる客へのお酌や談笑、チェキ撮影などの交流は「接待行為」と見なされます。
風俗営業の許可なく接待行為を行った場合、風営法違反となり処罰されてしまうでしょう。
風俗営業を取得した場合深夜営業ができなくなるため、取得を怠る経営者は後を絶ちません。
しかしながら摘発されてしまっては元も子もありませんので、絶対に取得するよう心得ておきましょう。
なお風俗営業許可は申請から取得まで2〜3カ月かかりますので、余裕を持った申請が肝要です。
未成年キャストの接待行為も、コンカフェでよくある違法行為のひとつです。
コンカフェでは、風営法により18歳未満のキャストの接待は禁止されています。
風俗営業許可を申請していても処罰や摘発の対象となりますので、注意が必要です。
そもそも18歳未満の人は採用しないようにする意識が大切です。
コンカフェの摘発事件は実際に何件も起きており、主に経営者の逮捕者も出ています。
どのような事件が起きたのか確認しておきましょう。
“新宿・歌舞伎町の「コンセプトカフェ」で無許可で女性キャストに男性客を接待させていたなどとして、店を経営する男性と女性店長が風営法違反(無許可営業など)の疑いで逮捕された。
調べに対して男はこの少女を未成年だと知ったうえで雇っていたと話しており、『他にも複数未成年を雇っていた』とも供述しているそうです。これまでも無許可の接待行為について行政指導がなされたものの、その後も許可を得ずに営業を続けていました」”
(引用:《歌舞伎町の無許可営業コンカフェが摘発》キャストには「17歳女性」も…逮捕された経営者らに同業者は「真面目に頑張っている女の子もいる」)
(https://www.news-postseven.com/archives/20240927_1993513.html?DETAIL)
2024年の9月には、新宿歌舞伎町のコンカフェ『東京-ICE-アイス』が風営法違反で摘発されました。
逮捕された経営者と店長兼キャストは、風俗営業の許可を得ずに未成年の少女にお酒の提供を伴う接客をさせたとのことです。
未成年がコンカフェで接客するのは風営法違反に当たり、なおかつ行政指導が入っていたにも関わらず無許可の営業を続けたことが摘発に繋がったようです。
“逮捕されたのは、中区新栄の風俗店店長加藤直人容疑者31歳ら2人です。
警察によりますと2人は中区新栄にあるメンズコンセプトカフェ「ダークネスシャトー」で無許可でホストクラブのような接待サービスを行っていた風営法違反の疑いがもたれています”
(引用:【魚拓あり】加藤直人容疑者(31)逮捕 顔は?ドン横キッズ出入りのメンズコンカフェ特定「ダークネスシャトー(Darkness Chateau 名古屋市中区新栄)」で無許可接待サービス : まとめダネ!)
(https://matomedane.jp/page/107407)
2024年7月には、名古屋市中区栄のメンズコンカフェ『ダークネスシャトー』が無許可の接待サービスを行い摘発されました。
同店は無許可で女性客相手にホストクラブのような接待サービスを行い、ハグやキスといった身体的な接触も行っていたとのことです。
あくまで無許可営業が摘発の理由となりましたが、客との身体的接触も法律に抵触するでしょう。
“逮捕容疑は、昨年12月から今年1月まで、15歳未満の女子中学生(13)を同店で雇い、酒を注いだり、接待させたりなどしたとしている。”
(引用:コンカフェで13歳の女子中学生働かせる 店長ら2人逮捕 警視庁)
(https://webnews-z.net/archives/20220630/)
2022年6月には、秋葉原のコンカフェ『Lavidoll(ラビドール)』が13歳の女子中学生を働かせたとして摘発されました。
未成年にコンカフェで勤務させ、お酒を提供させる行為は風営法違反に当たり店長と従業員の2名が逮捕されています。
“客に「顔ビンタ」などの接待行為をしたとして、大阪・ミナミのコンセプトカフェの経営者の男ら5人が風営法違反(無許可営業)の疑いで逮捕されました。”
(引用:「顔ビンタ」(1回500円)など接待行為か 大阪・ミナミで無許可コンカフェ営業疑い 経営者ら5人逮捕)
(https://news.yahoo.co.jp/articles/bc25342814c3fa631d22bb32cdaf9ae19a9df81b)
2024年9月には、大阪・ミナミのコンカフェ『I・Gカフェ』が摘発されました。
同店は無許可営業を行ったため摘発に至ったとのことです。
また従業員から客への「顔ビンタ」やチェキ撮影を有料で行い、接待行為を提供していました。
摘発されないためには、各業態別に必要な許可を取得する必要があります。
具体的にどのような許可が必要なのか押さえておきましょう。
飲食物を提供する業態のお店は、「飲食店営業許可」の申請が必須です。
レストランやカフェはもちろんですが、飲食物を少しでも提供するのであれば必ず申請が必要となります。
飲食店営業許可が必要な業態の例は以下です。
もし許可なく飲食物を提供した場合、食品衛生法や風営法に抵触し摘発の対象となってしまいます。
接待サービスを提供する場合は、風俗営業許可の申請が必要です。
風俗営業許可が必要な業態の例は以下です。
接待行為の概要は前述の通りですが、万が一申請なく接待行為を行った場合摘発の対象となってしまいます。
特にコンカフェは接待行為という自覚なしに行ってしまい摘発されてしまうケースも少なくありませんので、十分に注意しましょう。
深夜に酒類を提供する場合、「深夜酒類提供飲食の届出」が必要です。
深夜とは、風営法で定められた営業可能時間である0時以降(一部地域は25時以降)を指します。
深夜酒類提供飲食の届出が必要な業態の例は以下です。
同届出が受理されれば、深夜の酒類提供と24時間営業が可能になります。
ただし接待サービスと深夜営業は両立できないので注意が必要です。
動物を取り扱うお店の場合、第一種動物取扱業が必要となります。
第一種動物取扱業の届出が必要な業態の例は以下の通りです。
テナントが入居する建物や場所によっては許可が下りない場合もあります。
また第一種動物取扱業の承認には店舗に動物取扱責任者を置く必要がありますので、心得ておきましょう。
それでは、実際にコンカフェが摘発されてしまった場合にはどのような処罰があるのでしょうか。
処罰の対象者にフォーカスを当て、それぞれどのような状況になるのかを詳しく解説します。
コンカフェが摘発された場合、経営者や店長には懲役・罰金刑が科せられます。
具体的な刑期や金額は違法行為の内容によって異なりますが、1~2年以下の懲役、もしくは100~200万円以下の罰金が科せられるケースが多いようです。
当然のことですが、お店の違反行為はすべて経営者・店長の責任で真っ先に罰せられます。
違反行為をしてしまえば摘発は避けられませんので、絶対にしないように注意が必要です。
コンカフェが摘発されても、働いているキャストまでが処罰される可能性は低いです。
というのも、基本的にキャストは違反行為とは知らずに働いているだけだという場合が多いからです。
とはいえ、すべての場合において処罰される可能性がないとは言えません。
たとえば無許可営業と知りつつ勤務をすれば、共犯となり処罰の対象となり得てしまうでしょう。
コンカフェの利用客は、処罰の対象にはなりません。
無許可営業や未成年の接客は客が行った行為ではないため、処罰の対象になり得ないからです。
とはいえ、お店の違法行為を見て見ぬふりをしたり、助長するような行為は当然望ましくありません。
状況によっては別の罪になり得る可能性は大いにあるということは心に留めておく必要があります。
コンカフェ経営者には、摘発されないお店作りや各種手続きを行う義務があります。
どのような対策が必要なのかしっかりと把握しておきましょう。
摘発対策には、営業に必要な許可・届出を的確に取得することが肝要です。
コンカフェは飲食店や風俗店に分類されますので、営業を開始する際には以下の届出が必要となります。
上記の許可がない場合は「無許可営業」となり、摘発の対象となります。
ひとつ上の章でも紹介しておりますが、「風俗営業許可」は取得しておくべきでしょう。
どんな業態のお店であっても、「接待」を伴う場合は「風俗営業許可」を取る必要があります。
「風俗営業許可」とは、風営法に基づいて客と従業員の接待を認めることです。
客へお酒をお酌したり、談笑したりする行為は「接待」と見なされます。
たとえ一言でも談笑があった場合には接待とみなされ、無許可の場合は処罰されてもおかしくありません。
少しでも不安な場合は、許可を取得しておくのをおすすめいたします。
摘発を防ぐためには、雇用する従業員の年齢確認を徹底するのも大切です。
先述の事件のように、未成年者をコンカフェで雇用して摘発されたケースは少なくありません。
未成年だと知っていて採用するのは論外ですが、応募者が年齢を偽っている可能性もあります。
面接時などに身分証明書をしっかりと確認するといった対策を徹底するようにしましょう。
万が一呼出状が届いた場合、出頭および業務改善を行いましょう。
風営法に違反していた場合、警察から「呼出状」が届くことがあります。
「呼出状」は読んで字のごとく警察への出頭を命じる手紙で、以下の内容が記載されています。
この時点ではまだ摘発には至っていないため、警察は「改善命令」を出して業務改善を促す場合がほとんどです。
きちんと出頭をして業務改善を行えば摘発を回避できる可能性もありますので、呼出状を警察からの恩情だと考えて真摯に改善を行いましょう。
風営法違反で万が一取り調べを受けた場合、すぐさま弁護士に相談することで摘発を回避できる可能性があります。
取り調べまで捜査が進むと、強制捜査が入り即逮捕されるおそれもあります。
取り調べの段階で弁護士に相談すれば、最善の方法を法的観点から示してくれるため最適な対応に繋げられるでしょう。
適切なアドバイスを受けたことで、実際に罪に問われずに解決したケースもあります。
常日頃から顧問弁護士の方にお店の法務を依頼しておけば、有事の際にも手続きがスムーズになるのでおすすめです。
自身の経営しているコンカフェが万が一摘発されてしまった場合は、どう対応すれば良いのでしょうか。
まずは、先述の通り弁護士に真っ先に相談し判断を仰ぎましょう。
順序や対応方法を間違えてしまうと、事実無根であったとしても罪に問われてしまうおそれがあります。
なお逮捕された場合は、23日間の勾留と取り調べが行われます。
この時に書類に押印してしまったり事実と違う内容を話してしまうと取り返しがつかなくなるケースもあるので、黙秘権や署名押印拒否権を行使し弁護士の判断を仰ぎましょう。
コンカフェの経営者にとって必要不可欠な知識である、摘発や各種法律の知識について解説しました。
人気の高い業態であるコンカフェですが、注目度が高いからこそ摘発のリスクも上がります。
また正しい知識を持たずに気軽に開業してしまえば、思わぬ落とし穴にはまってしまいがちです。
コンカフェの正しい経営知識をご理解いただき、摘発のリスクを回避しておきましょう。
『アドサーチ』では、コンカフェを含むさまざまな風俗業種の広告サイトをご紹介しております。広告最適化や集客・求人募集にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
風俗業界における集客方法や開業時のポイントなど、風俗経営者に役立つ情報を発信しています!また、『アドサーチ』では、さまざまな風俗業種の広告サイトをご紹介していますので、広告最適化や集客・求人募集にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。