風俗店の開業・経営にはさまざまな知識が必要です。
風営法の熟知や各業種の特徴の確認、開業までに必要な準備など、知っておくべきことや対応すべきことは多岐にわたります。
特に他業界から風俗業界へ参入を考えている方にとっては、事前準備や経営のコツといった情報が気になるのではないでしょうか。
この記事では、そんな知識ゼロから起業を考えている方にも分かるような、風俗店経営に必要な基礎知識や失敗を防ぐコツを解説いたします。
基礎知識をしっかり理解すれば、経営のイメージがより鮮明になるでしょう。なお『アドサーチ』では、開業手順や失敗を防ぐコツだけではなく、業務効率化におすすめの事業支援サービス/ツールもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
風俗店は営業形態により「店舗型」または「派遣型」の2種類に大別されます。
両者の主な違いは、サービスを提供するための実店舗を持つか否かという点と、営業時間の2つが挙げられます。
営業時間については、24時間営業が可能かどうかという点がポイントです。
種類 | 実店舗 | 24時間営業 |
店舗型 | 有 | 不可 |
派遣型 | 無 | 可能 |
この分類の仕方を基に、より詳しくそれぞれの特徴を確認してみましょう。
風俗店は風営法の性風俗関連特殊営業により、「店舗型性風俗特殊営業」は1号~6号営業、「無店舗型性風俗特殊営業」は1号~2号営業に分かれています。
参考:風俗営業等業種一覧(警視庁)
店舗型の風俗店は下記に該当します。
分類 | 店舗型性風俗特殊営業 |
ソープ(ソープランド) | 1号営業 |
箱ヘル(ファッションヘルス) | 2号営業 |
サービスを提供するための実店舗を持つ店舗型の風俗は歓楽街や、風俗店が密集した、いわゆる風俗街にお店を構えています。
店内に接客用の設備があり、訪れた異性のお客さんに身体的接触を伴うサービスを提供するのが特徴です。
これらの風俗は風営法の定めにより、深夜~早朝にかけての営業が禁止されています。
そのため、日の出後・午前中~日付が変わる0時付近までの時間内で営業しています。
なお店舗型の風俗店としてピンサロ(ピンクサロン)が度々挙がりますが、こちらは厳密には飲食店と見なされている業種です。
▼ピンサロの開業については次の記事でより詳しく解説しています。
派遣型の風俗店は下記に該当します。
分類 | 無店舗型性風俗特殊営業 |
デリヘル(デリバリーヘルス) | 1号営業 |
ホテヘル(ホテルヘルス) | 1号営業 |
実店舗を持たない派遣型の風俗は、主に「デリヘル」を指します。
デリヘルは女性をホテルやレンタルルーム、お客さんの自宅へ派遣してサービスを提供します。
ホテヘルは受付所という実店舗を持ちますが、女性による接客サービスはそこでは行われません。
近くのホテルへ移動してからサービスが提供されるため、「無店舗型性風俗特殊営業」の1号営業に分類されます。
▼ホテヘルの経営・開業の流れや失敗を防ぐポイントは次の記事で詳しく解説しています。
一方で、無店舗型は風営法による営業時間の制限がないため、24時間営業も可能です。
なお、無店舗型に分類されるホテヘルですが、受付所は店舗扱いとなるため店舗型と同じく時間の制限を受けます。
そのため、日中は受付所を持つホテヘルとして営業し、深夜帯はデリヘルとして営業しているオーナーも少なくありません。
▼デリヘルの開業に必要な最低資金や費用内訳の目安は下記の記事で詳しく解説しています。
▼デリヘルタウンの費用対効果や反響の出し方・おすすめの掲載エリアは下記の記事で詳しくご紹介しています。
店舗型・派遣型のどちらも存在する“リフレ”という業種が存在します。店舗によってコンセプトは異なりますが、例えば学園系のコスチュームがある場合は「JKリフレ」など。
なおリフレはあくまでもジャンルを指すもので、性的サービスを提供するケースは「性風俗特殊営業のリフレ」となり、性的サービスを提供しない場合は「特定異性接客営業のリフレ」となるのが一般的です。
そして、いずれの業態にせよ店舗型もあれば派遣型の店舗もあり、風俗店としてのリフレを営む場合は他風俗業種と同様に風営法の制限を受けるため、新規出店に際しては立地条件に関する規制を受けます。
▼リフレ店に関する開業資金や派遣型と店舗型の違いについては、次の記事でより詳しく解説しています。
ここからは風俗店を開業するまでの基本的な手順について解説します。
いずれの業種においても、一般的な開業までのステップは共通で以下の通りです。
上記を踏まえて、以降で各フェーズの詳細や知っておくべきポイントを確認していきましょう。
①業種
風俗店を開業する際、まずはどの業種にするのかを決定しますが、忘れてはいけないのが風営法の存在です。
前項で触れた店舗型の風俗店は風営法によって時間だけでなく、開業する立地条件に厳しい制限がかけられています。
そして開業可能な場所には、既に店舗型風俗店が存在している場合がほとんど。
そのため新規エリアでのソープや箱ヘル開業は事実上不可能に近く、新規出店という形で開業を目指す場合はデリヘルが主な選択肢となります。
ただし開業方法が皆無というわけではありません。
▼新規出店が困難なソープランドの開業方法は次の記事で詳しく解説しています。
②屋号
屋号を決める際は商標調査をし、考案した店名が他社の商標権を侵害していないかを確認しましょう。
商標調査は特許庁の特許情報プラットフォームの「商標検索」でも確認可能です。
③個人事業主か法人か
個人事業主または法人名義で開業するか迷う方もいるでしょう。
既に飲食店やアパレル店などを経営しており、事業を新たに追加する形で風俗店を始めるケースを除けば、まずは個人事業主でスタートして問題ありません。
法人での開業は個人事業主と下記のような違いがあります。
・提出書類が個人事業主の場合と異なる
・目安として1000万円以上の事業所得がある際は節税効果が有効
・経費として認められる範囲が広がる
特に2つ目と3つ目は事業をする上でのメリットとなります。
そのため一般的にゼロスタートの際はまず個人事業主として開業し、経営が軌道に乗ってきた段階で法人化を検討するのが良いでしょう。
①店舗型
先述した通り店舗型の風俗店は新規エリアの出店がほぼ不可能です。
そのため基本的には、既存店の営業権を買い取るM&Aの形で開業することとなります。
既存店を買収すれば、物件探しや人材確保といった手間を省くことができ、以前のお店のお客さんを引き継ぐ形で経営できる可能性があります。
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▼風俗店の売買(M&A)に関するメリット・デメリットは、こちらの記事で詳しく解説しています。
②派遣型
派遣型で最低限必要となる物件は、お客さんからの電話を受けたり事務仕事をするための事務所だけです。
女の子の待機所を別途設けることもありますが、事務所と兼ねる方法もあります。
また物件に関しては、開業時に「無店舗型性風俗特殊営業」の届出をする際の注意点があります。
その物件をデリヘル店の事務所や待機所として使用することを大家が認めた「使用承諾書」が必要という点です。
事務所や待機所などに利用できる物件を「風俗承諾物件」と言いますが、同物件を扱っている不動産会社は少なく、実際に選定する際は難航しがちです。
▼デリヘルを含む風俗物件の探し方は以下の記事で詳しく解説しています。
風俗店開業のためには、必要書類を管轄の警察署に提出しなければなりません。
業種によって提出書類は多少異なりますが、ここではデリヘルをケースに解説いたします。
前述の通り店舗型は開業が難しいことに加え、デリヘルは開業や経営条件が比較的緩く、選択するケースが最も多いと思われるためです。
実際にデリヘル店の届出件数は増加傾向にあります。
警察庁発表の資料(P.9 図14「性風俗関連特殊営業の届出数の推移」より)によると、平成28年から令和2年の間に約700件増加と顕著な伸びを示しています。
▼風俗業界の市場規模や将来性については、次の記事で詳しく解説しています。
なお、個人事業主でデリヘルを新規開業する際の各種必要書類は以下の通りです。
もし法人で開業する場合は上記書類に加え、定款と登記簿謄本、役員全員分の住民票も必要となります。
管轄の警察署によっては他に追加書類の提出を求められるケースがあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
問題なく「無店舗型性風俗特殊営業営業開始届出書」を公安委員会(警察署)に提出できると、「届出確認書」が交付されます。
この「届出確認書」は広告媒体に営業や求人広告を掲載をする際に、掲載先の会社から提出を求められるケースもあるため、必ず保管しておきましょう。
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無事に開業までこぎつけても、そこで終わりではありません。本番は店舗経営です。
いかにして失敗を防ぐか、安定的な経営をするか、売上を上げ店舗規模を広げていくか、が大事になります。
とくにデリヘルは開業しやすい分、競合が多く、1年で9割のお店が廃業しているとも言われています。
▼デリヘルオーナーの収入や仕事内容は、次の記事で詳しくご紹介しています。
激戦の風俗業界を生き抜くには、経営のポイントを押さえておかなければなりません。
どのような点に注意したら良いのか、1つ1つしっかり確認していきましょう。
店舗の成功はキャストの数と質に左右されると言っても過言ではありません。
自身がお客さんの立場であれば、選択肢が少なく好みの女性がいないお店や、接客態度の悪い女性がいるお店は使いづらいですよね。
しかしながらほとんどの風俗店で苦戦するのが、働いてくれる女性を集めるという部分。
女性求職者はポータルサイトで働き口を探していることがほとんど。代表的な風俗系の求人ポータルサイトとしては『バニラ』が挙げられます。そのため、広告を掲載してお店の魅力をしっかりアピールすることが重要です。
▼バニラの強みや求人媒体としての特徴は、次の記事で詳しく解説しています。
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▼風俗内勤スタッフの役割や女性を採用するメリットは以下の記事で詳しく解説しています。
女性がお仕事探しの際に気にするポイントは、稼ぎやすさやお店の環境です。
どのくらい稼げるのか、どういった待遇や制度があるのかなど、具体的な数字や内容等を出しながらアピールします。
実際に働いたらどういったメリットがあるのか、女性がイメージしやすいようにしましょう。
また、実際に働き出したら「広告に書いてあることと違った」と思われると、早期離職の原因に。
採用にかけた時間や手間、お金を浪費してしまうことになるため、広告では噓偽りない記載をすることが高い定着率に繋がります。
キャストが揃っていても、利用してくれるお客さんがいなければ赤字になっていくばかりです。
しかし風俗店の数は多く、適切に情報発信をしなければお店の存在を知ってもらうことすら叶いません。
オフィシャルホームページやポータルサイトを利用して、しっかりと存在をアピールしていきましょう。
▼次の記事では、これから新規出店する風俗店におすすめの集客広告を7媒体に絞ってご紹介しております。
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▼集客・営業に強い風俗ポータルサイトは以下の記事で詳しく紹介しています。
集客広告のポイントは情報の豊富さです。特に女性の紹介には力を入れましょう。
お金を支払う側である男性は、なるべく後悔しないように自分の好みに合った女性を選ぼうとします。
ですが女性の情報が少なければ、どんな子なのかが分からず敬遠されてしまうことも。
なるべく良い宣材を用意し、女性の内面的な魅力や性格、プレイの傾向などを詳しく記載しておくことが重要です。
▼風俗のパネル写真の重要性や初回指名が増える撮り方とレタッチのコツは以下の記事で詳しく解説しています。
そのためにも女性を入店させる際の面接会話や、入店後の追加ヒアリングなども積極的に行っていきます。
他にも、お店がどういったジャンルで強みのあるお店なのか、分かりやすく説明することも必須です。
学園系で若くて可愛い子がたくさん在籍しているのか、人妻系で濃厚なプレイが楽しめるのか……。
画像やテキストで、ターゲットとしているお客さんに「好みと合っているお店だ」と思ってもらえるようにしましょう。
経営を安定させるためには、女性キャストの長期的な勤務が必須です。
お客さんはお店そのものよりも、女性を目当てに利用される方が多め。
女性に熱心なリピーターがついていた場合、もし女性が退店したらリピーターをも同時に失ってしまう可能性があります。
そのため、安定的な出勤をしてもらうには女性が不満や不安を抱えないようにケアすることが最も重要です。
女性が抱える不満・不安は大きくわけて2つあります。
①金銭面
思うように稼げないと感じると退店に繋がります。以下のように、ケースに応じた対策を取りましょう。
②環境面
女性の稼ぎや能力、内面に問題はなくとも勤務環境が悪ければ退店してしまいます。
その場合はお店の運営に問題があるかもしれません。
・女性を一人の人間としてみて、困っていることがないか気にかけているか
・給与システムや福利厚生、出勤の自由度など女性が満足いくものになっているか
・他の女性と明らかな差を付けたり、贔屓したりしていないか
上記の事柄は一例ですが、小さな不満が積み重なっている可能性もあるため、日々コミュニケーションを取るように心がけましょう。
ただし、過干渉を嫌う女性も多いため適切な距離感を見極めることが重要です。
風俗店の新規出店は、必ずしも自分の手でイチから始める必要はありません。フランチャイズで開業して経営を始めるという選択肢もあります。
フランチャイズといえば、本部によるサポートを受けつつ既存のブランド(屋号)を使って経営できるビジネスモデルです。一般的な昼職の業界と同様、風俗業界においてもフランチャイズのモデルは存在し、新規出店におけるスタンダードな手法として知られています。
なお大手グループのデリヘルでは、加盟店オーナーを積極的に募集しているケースもあります。フランチャイズによる風俗経営は次のようなメリットがあり、風俗業界の経験が浅いオーナーから支持されている開業方法です。
▼デリヘルのフランチャイズに関するメリットやデメリットは、次の記事で詳しく解説しています。
風俗業種の基本的な違いから、開店の準備、経営のコツなどをご紹介しました。
風俗店は上手く経営が軌道に乗れば大きな収入を得ることも可能です。そのためには入念な下調べや正しい業界知識、経営ノウハウなどが必要となります。
なお少し遠回りに感じられるかもしれませんが、幹部候補の店舗スタッフとして既存店で働き、堅実に現場での下積み経てから独立開業したり、既存店のオーナーにのれん分けを希望するという方法もあります。
▼風俗店における独立方法は、次の記事で詳しく解説しています。
▼のれん分けに関するポイントは、次の記事をご覧ください。
参入を検討されている方は、ぜひこの記事を参考に安定した経営を目指してみてください。
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