近年コンカフェの需要の高まりから、業界への参入を検討している方もいるでしょう。
この記事では、コンカフェの開業に関して必要な情報を網羅的に紹介します。
「そもそもコンカフェってなに?」という方でも、読めばコンカフェの開業について詳細が把握できるはずです。
また開業に必要な資金、許可・届出・資格、集客・求人方法、知っておくべき法律など、開業において必要となる情報もまとめています。
コンカフェの開業を検討している方はもちろん、開業に向けて準備を始めたいという方もぜひ参考にお役立てください。
コンカフェとは「コンセプトカフェ」の略称であり、特定のコンセプトに沿ってサービスを提供する飲食店です。
該当するのは猫カフェをはじめとする動物系や、アニメ・漫画とのコラボカフェ系など。
なおメイドカフェも「メイド」というコンセプトがあるため、れっきとしたコンカフェです。
店舗全体で1つの世界観を表現しており、「コラボメニューを食べたい」「独自の世界観を楽しみたい」という目的のお客様がターゲットとなります。
よくガールズバーと混同されがちですが、ガールズバーは基本的にお酒を飲みながら女性キャストと会話をするのが目的であり、コンセプトを楽しむことを目的とするコンカフェとは異なります。
そのほかにも、営業時間や従業員の服装、お店の内装など違う点はいくつかあります。
コンカフェの種類は以下の通りで、主に4つに分類されます。
種類 | 特徴 | コンセプト例 |
コスプレ系 | 内装やコスプレで世界観を演出 | メイド、学園、和装、男装 など |
コラボ系 | 期間限定で開催されるケースが多い | ゲーム、アニメ、アーティスト など |
体験系 | ゲーム好きな人同士で遊びやすい | ボドゲ、カードゲーム、マジック など |
動物系 | 気軽に動物と触れ合える | 猫、犬、うさぎ、爬虫類、鳥類 など |
一口にコンカフェといっても、複数の種類に分けられます。
さらに同じ種類に分類できたとしても、表に挙げているようにコンセプトは多種多様。ターゲット層や属性が全く異なる場合があります。
そのため開業にあたり競合を調査する際は、種類だけでなく具体的なコンセプトまで含めるべきでしょう。
コンカフェ経営の強みは、主に2点あります。
他の業種とも比較したうえで解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
集客力・求人力が高いのは、コンカフェ特有のメリットと言って良いでしょう。
高い集客力を見込める要因は以下の通りです。
コンセプトによって差別化しやすいため、お店の世界観やキャストのファンになってもらえれば他店舗に流れずリピートしてくれる傾向にあります。
またコンセプトにもよりますが、SNSでは店舗公式だけでなくキャスト個人のアカウントでも集客が可能。
加えてコンセプトが際立っているだけにSNSで映えやすく、拡散性が高いのも集客に繋がりやすい要因と言えるでしょう。
また求人力が高い理由は以下の通り。
一般的な飲食店と違ってコンカフェでは、メイド服を着用したりライブをしたりとコンセプトによって多種多様なサービスを提供します。
そのためコンセプト自体が魅力であり、「働きたい」という女性も少なくないのです。
一般的な飲食店と比較すると、コンカフェの利益率は大幅に高い傾向です。
飲食店の利益率 | 10%~15% |
コンカフェの利益率 | 10%~40% |
実際の相場を比較してみると、最低値は同じでも最大値が倍以上離れています。
コンカフェの利益率が高いのは、原価率と人件費を抑えられるのが理由です。
フードやドリンクの原価率は飲食店だと相場で30%ですが、コンカフェの場合は10%程度となります。
分かりやすくメイドカフェを例に挙げると、「メイドさんから料理を提供してもらえる」「メイドさんと会話ができる」という付加価値を料理や酒の料金設定に上乗せできるからです。
また給料面ではキャバクラやガールズバーに比べると安く、通常の飲食店と人件費はさほど変わりません。
なお飲食店オーナーの年収が平均600万円に対して、コンカフェのオーナーは年収400万〜1,000万円ほど。
幅はあるものの、通常の飲食店経営と比べるとコンカフェ経営は稼ぎやすいと言えるでしょう。
コンカフェの開業手順は以下の通りです。
コンセプト設計、事業計画 | 立地選定・内装準備・行政の手続きなどの指針となるため第一に決める |
立地選定、物件探し | 開業から約8カ月前を目安に条件に合致する物件を見つける |
資金調達 | 開業からや訳6カ月までには資金(初期費用のほかに2〜3カ月分の運転資金まで)を用意する |
店舗準備(備品・設備・内装など) | コンセプトに沿った設備や内装、営業に必要な備品の準備をする |
行政手続き | 業種に合った行政手続きを行う |
スタッフ採用、教育 | 開業から1カ月前にはスタッフの採用をはじめ、教育を実施する |
宣伝・集客 | オープンに向けて宣伝・集客を開始する |
プレオープン | 開業の1週間前にはプレオープンを実施して課題点を洗い出す |
開業 | 課題の解消が完了したら開業 |
手続きにはかなりの時間を有するため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めるべきです。
開業まで1年ほどを目安に考えておくと良いでしょう。
結論から言うと、コンカフェの開業資金には最低300万〜1,000万程度が必要です。
コンカフェの開業にかかる費用の内訳と目安は、以下の通りになります。
内訳 | 目安 |
物件取得費 | 家賃6ヵ月分~13ヶ月分程度 |
内外装工事費 | 1坪あたり20万円~50万円程度 |
家具・備品・什器等 | 100万~200万程度 |
運転資金 | 3ヶ月分~6ヶ月分程度 |
開業資金の相場の振り幅はかなり大きいです。費用を抑えたいなら、居抜き物件を借りて開業するのがおすすめ。
すでに設備や家具がそろっている居抜き物件であれば、内外装の工事費や物件取得費などの削減につながります。
またキャバクラやラウンジに比べると、コンカフェの開業費は安めです。
コンカフェは豪華な内装にする必要はないし、人件費がキャバクラより安く開業費用を抑えられます。
削減できた初期費用分は、運転資金へ回すのがベストでしょう。
なお運転資金は3カ月〜6カ月分ほど確保しておくと、固定費とは別に売上で左右される変動費もカバーできます。
コンカフェが集中しているエリアは主に以下の4か所です。
北海道 | 札幌、すすきの |
東京都 | 秋葉原、新宿、池袋 |
大阪府 | 梅田、日本橋、難波・心斎橋 |
愛知県 | 大須、名古屋 |
全体的に来訪者の多い繁華街やサブカルチャーのスポットに集中している傾向です。
日本三大繁華街の一角を有する北海道には、「雪に埋もれた地下の城」といった雪国ならではのコンセプトカフェがあります。
また流行や文化の中心地である東京都と大阪府は、コンカフェの激戦区です。
「Mermaid Group」や「めいどりーみん」といった大手メイドカフェの系列店がひしめき合っています。
さらに名古屋を有する愛知県には100店舗以上のコンカフェがあり、需要の高さが伺えるでしょう。
ただし立地選定において重要なのは、人流の多さだけではありません。出店先を選ぶには、エリアの来訪者の属性とコンセプトとの相性も大切です。
なぜならコンカフェを目的とせずエリアに来訪した人の利用にも期待できるからです。
コンカフェの業界ごとに必要な資格や届出などは以下の通りです。
コンカフェの業態の例 | 必要な許可・届出 |
22時閉店の猫カフェ (酒類提供なし) |
飲食店営業許可・食品衛生責任者の資格 第一種動物取扱業の登録・動物取扱責任者の資格 |
18時閉店のメイド喫茶 (酒類提供あり) |
飲食店営業許可・食品衛生責任者の資格 風俗店営業許可 |
18時閉店のコラボカフェ (酒類提供なし) |
飲食店営業許可・食品衛生責任者の資格 |
業態ごとの必要な許可や届出をそれぞれ見ていきましょう。
コンカフェを開業するには「飲食店営業許可」を得なければなりません。
飲食店営業許可とは、飲食の店舗を出す際に欠かせない許可を指します。
調理場に二層シンクや冷蔵庫、手洗い設備などがあれば許可を得やすくなるでしょう。
仮に許可なく店舗を営業した場合、食品衛生法や風営法に抵触するため要注意です。
また飲食店営業許可を得る条件として、「食品衛生責任者の資格」も必要となります。
食品衛生責任者になるには、栄養士や調理師といった有資格者か、養成講習を修了するかの2つ。
なお講習は1日で終わるため、合格すればその日に資格を取れます。
接待を伴うサービスを提供する場合は、「風俗営業許可」が欠かせません。
接待とはお客さんに対してお酌や談笑、カラオケやゲームでの交流、チェキ撮影などの行為全般を指します。
もし想定しているサービスが接待に含まれるのか悩むのであれば、あらかじめ許可を取っておくのが無難でしょう。
風俗営業の許可なく接待をすると、風営法違反になるので要注意です。
ちなみに風俗営業許可を取得するまでに2〜3カ月かかるとされています。早めに動いておきましょう。
深夜0時以降に酒類を提供する場合は、「深夜酒類提供」の届出を出しましょう。
審査が通れば、深夜でも酒類を提供できるほか24時間営業も可能になります。
ただし、風俗営業許可と接待サービスの両立は許可されていません。
風俗営業許可は店舗のコンセプトによって必要かどうか変わりますが、業態が「接待なし」+「深夜0時以降に酒類の提供あり」の場合は深夜酒類提供飲食店の届出が必要となります。
動物系のカフェを開業するなら、「第一種動物取扱業」の登録が必要不可欠です。
第一種動物取扱業とは、動物の販売や保管、訓練などを認可を受けて行えること。
エリアや建物次第では動物を扱う営業ができない可能性もあるため、出店先を決めていたら役所に相談しましょう。
また第一種動物取扱業の登録には、「動物取扱責任者」の存在も必要です。
動物取扱責任者になるには、以下の条件のいずれかを満たさなければなりません。
出典:東京都保健医療局東京動物愛護相談センター(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/douso/dt_gyou/doubututoriatukaisekininnsha.html)
動物取扱責任者はオーナー自身だけでなく、オーナーが選任した人でもなれます。一般的に初開業の際においては、オーナーがなる場合が多い傾向です。
コンカフェの集客と求人どちらでも使える方法は、主に下記の2つ。
実際に集客の成果が上がった事例やコンカフェ求人向けのポータルサイトもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
SNSの運用は、コンカフェ経営において欠かせない集客方法です。
SNSは拡散力が高いため、店舗公式・キャストのアカウントを開設して運用することで認知・新規顧客の獲得に期待できます。
さらに店舗のアカウントではイベント情報や求人の発信、キャストのアカウントでは自撮りといったように、投稿内容を工夫することで効果的に集客・求人に活用可能です。
ちなみにSNS運用をするなら、「X(旧Twitter)」と「TikTok」がおすすめ。特にコンカフェ界隈のユーザーが多いXは必須です。
また動画コンテンツのプラットフォームと言えば「Youtube」も候補に上がりますが、運用の難易度や拡散力を比較すると「Tik Tok」が効率的と言えます。
SNSは費用をかけずに運用できるという点でも、やらない手はないでしょう。うまく活用できれば、集客と求人双方で中長期的な成果を狙えます。
実際にSNSで集客の成果を上げた事例があるので、詳しくご紹介します。
岡山県にある猫カフェの事例をご紹介します。
『キャットランド 猫カフェ ルアナ』は、ビルの2階という立地が原因で集客に伸び悩んでいたそうです。
打開策として店長はお客様に自店の情報を届けるべく、SNSを運用して集客を試みました。
XやInstagramを活用し、猫の日常写真やイベント情報を発信したりフォロワー限定のクーポンを導入したりしたそうです。
最も反響を呼んだのはInstagramに投稿したリール動画で、1,000万回再生を超えることもあったと言います。
そうしてSNSを見て訪れたというお客様が増えると、なんとリピート率が50%に。
新規客の増加だけでなく、定期的な告知の発信を見てリピートするお客さんも増えました。
店長はSNS集客のコツについて、「飽きさせないこと」と話しています。
類似した投稿が続かないようにする、イベントやクーポン情報などユーザーにとって嬉しい情報の発信、コメントへの返信に意識して取り組んだそうです・
今回は猫カフェの事例でしたが、ほかのコンカフェでも応用すれば集客力アップを見込めるのではないでしょうか。
コンカフェにおける主な求人方法として、ポータルサイトへの掲載が挙げられるでしょう。
当然ながら求人に特化したポータルサイトには求職者のアクセスが多いため、掲載すれば角度の高いユーザーに求人情報を届けられます。
またSEOに強く「エリア+求人」「コンカフェ+求人」といったキーワードで上位表示を獲得していれば、効率的に求人できるのもメリットです。
サイトによっては無料掲載も可能なので、まずは掲載費用を抑えて利用してみるのも良いでしょう。
実際にコンカフェの求人を掲載できるポータルサイトの一例をご紹介します。
『体入がるる』はコンカフェをはじめ、ガールズバーやスナックなどのアルバイト求人に特化したポータルサイトです。
ユーザーの年齢層は20台前半が過半数を占めており、充分にコンカフェの就業に期待できます。
さらにLINEからの応募も可能となっているため、求職者と連絡がスムーズにできるのも魅力です。クロージングまでの期間短縮にも繋がり、求人コストを抑えられます。
また同サイトに掲載された求人は、大手求人検索エンジンに自動掲載されるというのも大きなメリットです。
広告掲載すれば、コストパフォーマンスの高い採用活動を実現できるでしょう。
媒体名 | 体入がるる |
エリア | 関東、関西、九州 |
掲載料金 | 20,000円~ |
URL | https://adsch.net/detail/?m=1813 |
風営法とは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」の略称です。
コンカフェで風営法の対象になるのは、以下の条件に当てはまる店舗です。
もし風営法に違反してしまうと、店舗の摘発や経営者の逮捕といった最悪の事態を引き起こす可能性があります。
風営法の対象となるコンカフェの開業を検討している方は、必ず確認しておいてください。
風営法が適用されているコンカフェは、午前0時〜午前6時までの深夜営業が禁止されています。
そもそも接待サービスの認可と深夜営業の認可を総取りするのは原則不可能です。
都合よくどちらの認可ももらえることはありません。もし夜間に営業したい場合は、接待を諦めるしかありません。
地域によっては「風俗営業許可」を取得できないケースがあります。
もし物件を押さえた状態で許可が下りない場所だったと分かれば、店舗の舵取りが困難になってしまうでしょう。
また動物系やコスプレ系のコンカフェだと、物件のオーナーから入居拒否をされやすい傾向にあります。
許可を取るのにも2〜3カ月かかってしまうので、計画通りに開業するためにも物件の契約前には確認しておいてください。
ちなみに風俗営業許可が下りるかどうかは、対象地域の警察署に問い合わせると確認できます。
風営法の規定により、18歳未満のキャストによる接待は禁止されています。
ホストクラブのように1人のお客さんと長丁場で談笑したり、ダンスやショーを披露したりすると「接待行為」と見なされるので注意が必要です。
違反すれば摘発や逮捕につながりかねません。
過去には18歳未満のキャストによる酒類の提供や、お客さんの隣で1対1の接客といった行為で経営者が逮捕された事例もあります。
違反しないように、万全を期して18歳未満は採用しないという対策も1つの手です。
求職者の面接時には、年齢のわかるマイナンバーカードや住民票などの提出を怠らないようにしてください。
コンカフェは一般的な飲食店と比べると集客力・求人力・利益率が高いという大きなメリットがあり、開業を望む方も増えているでしょう。
開業において大切なのは、入念な下調べです。
コンカフェには一貫して「飲食店営業許可」と「食品衛生責任者の資格」が必要ですが、コンセプト次第で必要な認可や届出が変わります。
仮に必要な手続きを怠ってしまった場合、摘発や逮捕に繋がる可能性もあるので注意が必要です。
本格的にコンカフェの開業を望む方は、ぜひこの記事を参考に開業準備にお役立てください。
『アドサーチ』では、コンカフェを含むさまざまな風俗業種の広告サイトをご紹介しております。広告最適化や集客・求人募集にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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